おすすめのコメディー小説はこれだ!今すぐ読みたい5冊の名作!
陽気なギャングが地球を回す
この「陽気なギャングが地球を回す」は井坂幸太郎さんの作品で2006年出版されました。
同年に映画化もされています。
登場人物は他人の嘘が見抜けるリーダー格の成瀬、しゃべり出したら止まらない演説の達人の響野、スリの達人で普段は心優しい青年の久遠、正確な体内時計を持ち卓越したドライビングテクニックの雪子。一社会人の顔をしながら銀行ギャングのウラの顔を持つ彼ら。彼らによる「仕事」にからむストーリーです。
とにかくこの4人のキャラクターがおもしろくて魅力的。軽妙な会話が面白く、テンポもよくて読み進めていくうちに映像が浮かんでくるようです。「陽気なギャング」はシリーズになっているので、ぜひ全部読んでみてください。
⇒陽気なギャングが地球を回す
四畳半神話大系
この本は、一話一話読み進めるごとにどんどん物語の世界に引き込まれていきます。
一話目を読んだ時点では、特に面白くもなくつまらなくもない話で、「ふーん。」程度な感じでした。
2話目を読み進めていくと、繰り返される言葉遊びや回りくどい表現が気に入ったのか、
ページをめくる手が止まりませんでした!
四話目では物語をきれいにまとめ上げてくれてあり、読み終わってすっきりしました。
それと同時になんだかもやもやした気持ちも残ります。
一つ一つの事件はとても些細な出来事で、とってもくだらないのです。
しかし、だからこそ、それを魅力的に表現できる言い回しに感動したのだと思います。
⇒四畳半神話大系 (角川文庫)
イン・ザ・プール
この作品は、人によってすごく好きな人と全く受け付けない人の二通りにわかてしまうと思います。
ですが、私にとってはド嵌りでした!
主人公の精神科医「伊良部」の毒のあるキャラクター設定が気に入りました。
陽気なピエロのような性格からは想像もできない発言をするので、
読みながら「え?」と聞き返してしまいたくなったり、「は?」と思考停止してしまうような場面もありました。
それに加え、自意識過剰、神経過敏な現代人が、少し道を踏み外すと、この物語の様な「患者」になってしまうのだな、
と思わされ、ぞくりと寒気を感じました。
現代人の心の狂いをおもしろおかしく指摘してくれる伊良部医師を想像しながら、
「自分を気をつけなきゃ」と思わされました。
⇒イン・ザ・プール (文春文庫)
真夜中のパン屋さん
こころが温かくなる本だと友人からの口コミを聞いて読みました。
それぞれにこころの傷を持った登場人物たちがそれでもめげすに前に向かっていくお話です。
文章も難解な抽象表現があるわけでもなく、読みやすかったですし、
最終的にはみんなが救われていく、口コミ通りのこころ温まるおはなしでした。
しかし、それぞれの抱えるこころの傷がネグレクトやアダルトチルドレンと、少しディープです。
読んだ人がみんな、温かい気持ちになれるという訳ではないかもしれませんね。
読む人によっては、胸が痛くなる方もいるのではないか思います。
それを考えると切なくなるお話でもありました。
それでも、ハッピーエンドで締めくくられているので、
こういうこころ温まるストーリーもある、と前向きな気持ちになってもらえたらいいです。
⇒真夜中のパン屋さん (ポプラ文庫)
帰天城の謎
ホラー中心でコメディ本ってあまり多く読んでないのですが、そんな中でやられた~と思ったのが、『帰天城の謎』です。トリックというドラマのノベライズで、そのドラマの主人公の二人が実は昔であってた!?とう設定。作者さんははあやみねかおるという方。失礼ながら聞いたことのない方で、不安もありつつ、でも読みたいし!って思いで、、買ってみました。それがもうトリックキャラの特徴をガシッとつかんでて、笑えるんです。主人公の子気味のいい性格の悪さ。他の言い方で言えば、気持ちのいい性格の悪さ。私がクラスメートだったら、友達になっただろうか。と一瞬だけ考えたりして。一応謎解きものなのですが、目的は財宝を見つけること、最初から最後まで金への執着がついてくるのです。そこがまたいいんですけどね。
⇒帰天城の謎 ~TRICK 青春版~