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コージー・ミステリ小説、推理小説で3冊厳選しておすすめしてみる!

   

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重力ピエロ

ミステリーに分類されると思われますが、これの主軸は家族愛です。
少々ネタバレになりますが、母が連続強姦魔に強姦されてできた子供である、家族で唯一血のつながっていない春とその家族が復讐をするという重いお話です。
内容は重いはずなのに、どこか軽快で洒脱な文章は伊坂の得意手。この小説ではそれがいかんなく発揮されており、伊坂ワールドが十分に楽しめる作品となっております。
また、もう一つの見どころとして、様々な偉人のエピソードや音楽、絵画など文化的でおしゃれなエピソードが盛り込まれており、良い教養にもなるかと思います。
重力ピエロ (新潮文庫)

老人たちの生活と推理

高級老人ホームで起こった殺人事件を入居者の老人たちが推理するという珍しい物語です。
老人探偵団で有名な清水義範氏のやっとかめ探偵団には慕われていたり気の良い老人が出てきますが、こちらの探偵団は好かれている人物たちとは言えません。その高級老人ホームで人畜無害と思われていたスイーティーが殺され一番の嫌われ者であるアンジェラ率いる老人探偵団が捜査に乗り出します。
しかしお年寄りばかりなので思うように体は動かないわ物忘れは激しいわで捜査は難航します。物語も終盤になると老人たちが長い間抱えている秘密や苦しみが分かってきてホロリとさせられる場面も。実は人畜無害のスイーティーが一番の悪党だったりするんです。この作品を読んで歳を取るのも悪くないなと思うようになりました。
老人たちの生活と推理 (創元推理文庫)

珈琲店タレーランの事件簿

物語のモチーフである”コーヒー”そのもののような、推理の結末のちょっと残る後味の苦さがとてもおいしい作品です。”どうやったか”よりも”なぜそうしなければならなかったのか”に重点を置いて展開されてゆく謎解きは、事件の真相がどれも人間らしい弱さや思いが要因となっていて、お世辞にも綺麗な感情とはいえないけれどでも分からなくもないような、そんな人間くささがあります。
そしてコージー・ミステリーの推理以外での大事な部分の恋愛ですが、恋の一番楽しい時期という感じで、美星さんとアオヤマ君の進むようで進まない恋の行方もニヤニヤできます。
珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

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