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おすすめミステリー小説『和菓子のアン』『名探偵の掟』・他のレビュー

      2016/02/01

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和菓子のアン

和菓子屋さんにアルバイトとして飛び込んだ女の子が
様々な事件を通して少しずつ成長していくおはなしです。
私は、ヒロインが魅力的で大好きです。
ふっくらとした体型のほんわかした外見なのですが、とっても頭がキレます!
曲者ぞろいのデパ地下の和菓子屋さんに体当たりで飛び込んで、一生懸命仕事に打ち込みます。
今まで読んできた小説に登場するアルバイトは、大体冒頭で失敗したりとドジッ子要素があったのですが、
このヒロインは「賢くていい子なんだろうな」と伝わってきます。
彼女の周りの登場人物も個性的で物語を引き立ててくれます。
地味な印象の和菓子が親近感を与えるのか、デパ地下という舞台に馴染みを感じるのか、
世界観にとても引き込まれてしまいます。
和菓子のアン (光文社文庫)

名探偵の掟

サスペンスドラマや推理小説、ミステリに登場する「名探偵」の舞台裏を描いたような作品です。
カメラの外ではこんな会話がなされているんじゃないかな、と思いながら読みました。
しかもそんなストーリーの中にも謎はきちんと設定されていて、
この名探偵はそれを解決してくれるのですから、なお面白いです!
二時間ドラマを見ていて、
「きっとこの人が犯人だよね。だって今回のゲスト俳優だもん。」と考えたことが何度あったでしょう。
この作品の登場人物たちは、あくまで推理小説のなかの登場人物を演じてくれているのですが、
推理小説の暗黙の了解を嘆いたり、自分の役だとこんなことはしない、と皮肉ったり、
メイキングを見ているようなおもしろさでした。
名探偵の掟 (講談社文庫)

GOSICK

1924年のヨーロッパにおける架空の国を舞台に、東洋からの留学生九条一弥と、欧州最大の頭脳であり灰色狼のヴィクトリカの二人が贈る、ミステリ小説です。
探偵はもちろん、ヴィクトリカ。しかしこのヴィクトリカ、あまり動かないんです。つまるところの安楽椅子探偵です。そのヴィクトリカが、謎を解けるように欠片を集めるのが、もう一人の主人公九条一弥です。そんな二人の恋情でもなく、友情でもない関係も見どころのひとつです。
いつも図書館棟の最上階で難解な本を読んで、退屈を紛らわしているヴィクトリカですが、あることがきっかけで、一弥が付き添いつつ初めて外へでます。しかし、そこでも事件が二人を待ち構えていたのでした、という内容です。この小説の面白いところは、淡々とヴィクトリカが、話を聞き流しただけで推理をするところです。1920年代を舞台にした、ゴシックミステリでありながら、ボーイミーツガール的要素も持ち合わせている「GOSICK」。おすすめの一冊です。
GOSICK ―ゴシック― (角川文庫)

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