厳選おすすめ警察小説!タイプがバラバラのこの3冊!
警察小説でもタイプが異なる3つをピックアップ!
王道的な小説も、少しミステリー色の強い作品も。まだ読んでいない一冊があればこの機会に!
第三の時効
この作品は横山秀夫さんの小説で、「F県警強行犯シリーズ」の第1作目です。
舞台になるこのF県警捜査第一課には三班あり、一班に朽木、二班に楠見、三班に村瀬という刑事たちがいます。3人ともとても個性的でクセのある刑事で、それぞれの事件を追っていくなかで、時に激しく争ったりしながら事件に挑んでいく姿を描いた本格警察小説です。
2004年度このミステリーがすごい!で第4位の作品になりました。まず三人の刑事のキャラクターが面白いです。また犯人と刑事の心理描写がしっかりと描かれています。これは6編からなる短編集なので読みやすいかと思います。
⇒第三の時効
慟哭
幼女誘拐事件を題材にした小説家貫井徳郎さんのデビュー作です。
犯人に翻弄される警察の捜査課と若手キャリア課長との軋轢など、警察内部の事情がリアルに描かれています。
犯人の傾倒する信仰宗教の実態や登場人物の心理描写も細かに書かれてどんどんストーリーへと引き込まれました。
犯人は捕まるのか、どんな奴なのか?というのが最大のミソなのですが、最後にきて仰天の結末が待ち受けています。
読み手は思わず「え?どういうこと?」と混乱したあげく、また最初から読み直すことでしょう。
結末を知ったうえで改めて読み直すと、今度は全く別の深い悲しみのストーリーとして読むことができます。
二度読み必至のこの作品、警察小説としてもミステリーとしてもすごいです。
⇒慟哭
教場
教場とは警察学校の学級の事です。この小説は警察学校に起こる事件を書いた珍しいものです。
この本で初めて警察学校の内容を知りました。警察学校の一人の教官と複数の生徒たちが物語を作っていく短編集です。
この短編集で一番面白かったのが元インテリアコーディネーターの生徒の話でした。単なる勘違いから友達を裏切り、そしてそれがバレて大きな代償を負います。その中で普段暮らしていて知っていた方が良い知識も出てくるので勉強にもなります。
この生徒は教官に助けられるのですが、この教官のキャラの立ちようは半端ではありません。すぐに頭の中にイメージできます。この教官の行動を読んでいるだけで面白いのに、この小説は推理小説でもあり警察小説でもあり学園小説でもあります。1粒で3度おいしい本です。
⇒教場