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おすすめの小説20選!【ノージャンル】

      2015/12/07

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TSUGUMI

この作品は、吉本ばななの初期作品です。まだ、彼女の名前表記が「よしもとばなな」ではなく「吉本ばなな」だった頃です。
海辺の街を舞台にした少女たちの触れ合いの物語。とても瑞々しく、その渦中の年齢にいる人、まだその年齢に達していない人には羨ましく、その年齢を超えた人にはどこか気恥ずかしさを感じさせる作品です。もう、これでも、これでもかと青春を打ち出してきます。でも、決して不快ではありません。読んでいる間だけでも日常のことを完全に忘れられます。日々の生活に疲れた方におすすめの作品です。最初は、主人公まりあに。次は敵対するつぐみに感情移入して読んでみてください。違った見方ができるはずです。
TUGUMI(つぐみ) (中公文庫)

赤毛のアン

赤毛のアンを読むと、元気をもらえます。
アンはおしゃべりで想像力豊かなところが特徴です。
そして、そばかすや赤毛がコンプレックスです。
しかし、それらのコンプレックスを始め、何か嫌なことがあると、素晴らしい想像力で想像して、ないものにしてしまいます。
何か辛いことがあっても、想像してみたらどうってことがなくなるのだと思いました。
私もアンのように楽しい想像をして頑張ろうと思えます。
また、ストーリーも面白いです。
特に、アンとアンの髪の毛をからかったギルバートとの関係性が面白く、最後までどうなるのかとハラハラドキドキします。
特に女の子には是非読んでもらいたい作品です。
赤毛のアン―赤毛のアン・シリーズ〈1〉 (新潮文庫)

イニシエーション・ラブ

この作品を読み終えて、最初に思ったのは「やられた!」ということでした。普通によくある恋愛ものと思って読んでいたら、確実に騙されます。しかし、その騙された感は決して不快ではないのです。むしろ心地いいものです。
作品舞台が1980年代ということ、当時流行ったドラマ、主人公の愛称、それらをうまく組み合わせて、作者は最後の最後にどんでん返しをしかけてきます。そのどんでん返しに乗ってしまうかどうかは、読者次第ですが断言します。必ず騙されます。そして、読み終わったら、もう一度最初から読みたくなるでしょう。最後の二行で全ての謎が解けます。
イニシエーション・ラブ (文春文庫)

いのちの初夜

ハンセン病を扱った歴史的な資料としてもとても勉強になる短編小説です。日本でもあれだけ苛烈な差別をされていたにもかかわらず、時代とともにだんだん忘れ去られていく問題だということ自体に問題があるような気がします。そういう意味でも若い人も興味を持つべき小説です。日常とは離れた異常な隔離施設におかれた人間の心理が生々しく描かれており、フィクションであるとは思えない衝撃に震えます。人間とはなんだろうか、生きるとはなんだろうかという問いは、病気や施設が忘れされてもずっと残る純粋な疑問です。その点にはいつまでも共感をもって読むことができます。
いのちの初夜 (角川文庫)

映画篇

誰でも聞いた事があるような有名なタイトルの映画をモチーフにした短編集です。映画のうんちくのような話しではないので、その映画自体を知らなくても普通に読めます。
物語は5つあって、どれもストーリーとして繋がってはいないけれども少し関係はあるという感じ。大切な人との繋がりがテーマとなっていて、悲しかったり寂しい話もあるけれども、全ての物語を繋ぐような最後の物語が、明るくてしかも締めがとてもいいので読み終わった後、体にパワーが注入されたような気持ちになれる。
読んだ後、もう一度大切な誰かとその映画を観たくなる本です。
映画篇 (集英社文庫)

キノの旅

話しは続いていくシリーズものですが、短編小説のようになっていて長々しい説明文などはあまりなく、とても読みやすい本になっています。ありえないような話、だけれども人間の本当の愚かさや恐ろしさなどに気づかされるそんな本です。人の悲しみや喜び、生きていくことの大変さ、幸せ、何回か読み直すと今こうして何事もなく平和である人間がどんなに素晴らしいのか考えさせられます。また、アクションな部分も時々あってハラハラドキドキ、飽きずに読み続けられます。普通の本とは違い、文章や内容、文字のあり方までものすごくオリジナリティー溢れる本になっています。
角川つばさ文庫版 キノの旅(1) the Beautiful World

>凶悪―ある死刑囚の告発

家の中でTVを見ていると、コメンテーターが慎重に言葉を選びながらコメントをしている、もしくは偏った意見を発している場面を多く目にします。しかし世間では、その様な取り繕った言葉では表現できない事件が多く存在しています。それを分かり易く表現しているのが、この本です。週刊新潮に掲載された記事を元にして書かれたこの作品は、事件を起こした人間の恐ろしさや心情等を隠す事なく表現しています。現在、同じ内容ばかりを連日報道している事が多々ありますが、この作品では、事件を起こす人間の心情、関係者の考え等、私たちが知るべき人の恐ろしさを教えてくれます。情報に飢えた現代にオススメしたい1作です。
凶悪―ある死刑囚の告発 (新潮文庫)

クロスファイア

この作品は、宮部みゆきの小説によく出てくる「超能力者の哀しみ」が強く描かれた作品です。超能力を持ったからといって決して幸せになれるわけではない。むしろ辛いこと、悲しい目に遭うことのほうが多い。そんなことを繊細なタッチで描いています。
普通の人は、超能力が欲しいと願います。空を飛べたり、瞬間移動ができたり、人の心が読めたり・・・。主人公はバイロキネシスという、念じるだけで物を燃やすことのできる力を持っています。しかし、その力を持てあまし、組織に利用され、最後には組織によって抹殺されてしまいます。彼女は、普通に生きたかっただけなのに。もし、自分が超能力を持ってしまったら。そういう一見、荒唐無稽なテーマを真剣に考えさせてくれる作品です。
クロスファイア〈上〉 (光文社文庫プレミアム)

四十九日のレシピ

とにかく乙美が女性として素晴らしすぎます。生きているときも、その死後も、周囲の人を幸せにしようとする生き方は感銘です。涙なしでは読めない作品です。難しい性格の熱田良平に後妻として嫁いだ乙美の遺言は、四十九日にはみんなで楽しく宴会を開いてほしいというものでした。しかし、残された熱田良平も、前妻の娘も、乙美との関係や現在の状況に後悔ばかりで、乙美の死も今自分が置かれている状況も受け入れられずにいます。そこに、自分の死後に家族のサポートをするよう乙美から頼まれたといってヤマンバのようなギャル井本と、謎のブラジル人ハルが加わり、不思議な生活がスタートします。複雑に絡み合っていいた糸が、少しづつほどけていきます。乙美の残したのは料理のレシピだけでなく、人生のレシピだったのです。家族を大切にしたいと思える小説です。
四十九日のレシピ (ポプラ文庫)

斜陽

日本人ならば、誰もが知っている名作です。私は、この小説に出てくる言葉で、「不良でない人間があるであろうか」という節に、慰められました。当時、社会人1年目で、罵倒される毎日の中、自分は人としておかしいのではないかと思っていた時、彼のこの言葉により、自信を取り戻しました。そして彼は、この話の中で、「世間でよいと言われ、尊敬されている人たちは、みな嘘つきで、偽物」「お前たちは、札のついていないもっと危険な不良じゃないか」と言うのです。学生時代、不自由なく、大切に育てて貰った私は、世間の汚れた部分を知りませんでした。しかし、彼はとても分かりやすく、私たちに教えてくれるのです。とても魅力的な作品です。
斜陽

植物図鑑

散歩に行きたくなる恋愛小説です。作中には山菜や食べられる野草がたくさん登場します。しかも山菜料理のレシピやその料理の味までとても美味しそうに描写されているので、主人公達のように自分も狩りがしてみたくなること必至です。タマネギのみそ汁なんかのシンプルなものもあるので、誰でも簡単に試せるのも良いところです。
肝心の恋愛のストーリーも有川浩さんらしいベタと言えばベタなところがまた良い感じ。主人公達の出会いから最後まで、ぎゅっと心をつかんでくれます。食欲と恋愛欲とを両方を良い感じに刺激してくれる作品です。
植物図鑑 (幻冬舎文庫)

スカイ・クロラ

シリーズものになっています。大人になれない子供たちの話なのですが、大人になることについて、生きるということについてものすごく考えさせられます。また、戦闘機に乗り、戦うシーンが間間にあるのですが、本なのにものすごく迫力があり、本当に戦闘機に自分が載って操縦している気分になります。とても引き込まれる小説です。映画にもなっています。映画と少し違う部分はありますが、映画と本と両方見てどちらも楽しめる作品になっています。戦闘シーンはありますが、特に怖いことやぐろいことはなく、どちらかというととてもすっきりと読めると思います。
スカイ・クロラ (中公文庫)

世界の終わりの世界録(アンコール)

この小説は細音啓さんの最新シリーズです。天使・竜・悪魔・精霊・人が織りなすファンタジーな世界を冒険しながら主人公レンが成長していく物語です。物語はレンが所属する学園から始まります。伝説の英勇にそっくりな容姿をしていながら落ちこぼれ騎士な為「偽英勇」と周りから馬鹿にされながらも努力を続けるレンは仲間に誘われ至宝「世界録(アンコール)」を探す旅に出ます。人は全ての種族の中で最弱な種族です。常に自分より強い敵に立ち向かうレンの勇気と戦闘中の観察力と実行力は日々の努力の成果が見え、戦闘場面では興奮すること間違いなしです。その他にも旅仲間との楽しい日常や健気な精霊など見所満載です。
世界の終わりの世界録<アンコール>1 再来の騎士<世界の終わりの世界録<アンコール>> (MF文庫J)

喋々喃々

「食堂かたつむり」で有名な小川糸さんの作品です。東京の谷中でアンティークきもの屋「ひめまつ屋」を営む栞が、たまたまお客としてやってきた父の声にそっくりな男性に恋をする。もう、その設定だけで素敵な世界です。恋に奥手な栞が恋した男性は既婚者だったので、言ってしまえば不倫ではありますが、2人を取り巻く描写が実に古風でロマンチックです。特に、食事のシーンは美しく、官能的にすら感じます。ただおいしいものを丁寧においしくいただいているだけですが、普段忘れている感覚を思い出します。自分が好きなものに囲まれて、丁寧な毎日を送る栞が、許されない秘められた恋に真摯に向き合う様子に心が動かされます。クライマックスが、「この先どうするつもりなの?」とやきもきするところが、またいいです。
喋々喃々 (ポプラ文庫)

東京島

桐野夏生さん著のこの「東京島」は映画化もされましたが小説で読む方が断然面白いです。
主人公の清子は夫とヨットで世界一周のクルージングをしている時に嵐で遭難。
二人が流れ着いたのはどこともわからない無人島。
そこに新たにたくさんの若い男達が遭難してきて、島はひとつのコミュニティーを作り出します。
その中でたった一人の女性である清子は突然男達の中に君臨する女王となりますが…。
長い無人島暮らしの中で次第に男達の中に狂気めいたものが現れ出す中で、清子も自分の立場が脅かされはじめます。
自分を守るために自分の性を武器に逞しく生き抜いていく清子の姿が痛快で、色んな意味でのサバイバル小説だと思います。
東京島 (新潮文庫)

虹の谷のアン

『赤毛のアン』シリーズの7番目の作品で、アンの6人の子供達とその友人達のことが主に語られています。学校に行っている子供達は、アンの気質を受け継いで想像力豊かではありますがそこから失敗をしたり、友達に騙されて一人悩んだりと子供らしいその時期の悩みと、そこからどうやって解決してゆくかが描かれています。私は自分が子供だった時は子供の立場に共感してましたが、親となってからはアンの悩んだり涙ぐんだりする子供達への言葉がけや、時には遠くから自分で解決してゆくように黙って見守る姿に、学ぶことの多い作品でした。
虹の谷のアン (完訳 赤毛のアンシリーズ 7)

西の魔女が死んだ

これは、映画にもなったのでご存じの方も多いかと思いますが、梨木香歩の小説です。
人間の心の再生の物語です。そして心を再生するには、日常生活を丁寧に規則正しく生きるということ。
至極まっとうでありながら、しかし精神的に崩れさり疲れきった人間にとって、それを実行することは簡単ではありません。
しかし、丁寧に生きる日常生活の中で、主人公が少しずつ自分を取り戻し、再生していく物語は静かな感動がそこにあります。
私は、精神的に鬱状態に近くなったときにこの小説が初版で出版され、読んで深く感銘を受けました。
いかに人が再生していくか、そして「日常生活の中にこそ”神は細部に宿る”」という言葉がふさわしい小説です。
人生に疲れてしまい、心の疲れ切ってしまった人にお勧めします。自分再生への解決の糸口になると思います。
西の魔女が死んだ (新潮文庫)

ファミリーツリー

小川糸さんの作品です。穂高に暮らすリュウセイと、夏の間だけ東京から穂高にやってくる親戚のリリーが成長し、やがて恋に落ち、家族になるという甘酸っぱい青春を描いたお話。自然豊かな穂高で普通に暮らすリュウセイにとって、活発なのにつかみどころがないリリーは気になる存在で、前半は二人の幼少期の夏のあらゆるエピソードが語られている。2人のひいおばあさんの菊さんもすごく魅力的。こんなおばあさんがいなかにいたら、自分も夏休みに帰りたい。成長過程で、2人はいろいろ悩み、リリーの複雑な家庭環境も明らかになってくる。一度は心が離れた2人が、新しい命によって、つなぎとめられる。家族について考えさせられる作品です。心が甘酸っぱく、じんわり温かくなります。
ファミリーツリー

見知らぬ遊戯 鑑定医シャルル

フランスの田舎町でハロウィンの晩に起きた強姦事件を追う女性憲兵アニエス。迷宮入りしかけている事件を再現するような事件がパリで発生したことを受け、上京。鑑定医兼心理学者シャルルの協力を得て事件の解明にあたる、という物語です。アニエス、シャルルのどちらも幼少期に心の傷を負っており、一緒に過ごすなかで互いの痛みを理解し合っていく過程が魅力です。初めに犯人として捜査線上に上がるのは被害者の兄ですが、アニエスとシャルルが捜査を進めるうち、兄が家族に対して行き場のない思いを抱えていたことが見えてきます。単にトリックを見破るのではなく、心理学的な知見を織り込みながら、愛が攻撃行動に変わらざるをえなかった悲劇を浮かび上がらせていくところが魅力です。
見知らぬ遊戯 鑑定医シャルル(鑑定医シャルル・シリーズ) (集英社文庫)

ロスジェネの逆襲

やられたらやり返す。倍返しだ。とテレビドラマで叫んでいた半沢直樹。ドラマの最後で東京セントラル証券への出向を命ぜられてテレビドラマは終了したが、この作品は半沢直樹の事実上続編である。あるIT企業が市場時間外の株式取引で企業を買収する案件を半沢は事前に情報を得て逆に相手出資先の企業の買収に打って出る。しかしこのIT企業と出資先企業は経営不振による巨額損失を抱え粉飾にも加担していた。その先には出向元の東京中央銀行のダークな部分が見え隠れし個人のミスによる資金還流がこの買収工作の根源であると半沢直樹はにらみ、立ち向かって行く。果たして銀行には戻れるのだろうか。
ロスジェネの逆襲 (文春文庫)

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