恋愛小説好きにおすすめのこれ!
恋愛小説好きにインタビュー!
おすすめの名著を紹介していただきました。
あなたにぴったりな一冊が見つかるかも!?
植物図鑑
拾った男の子は家事力高くてイケメンで…と女子の妄想をそのまま文字にしてくれたような作品です。甘々すぎるしご都合主義といえばその通りですが、でもそこがいい。読めばキュンキュン出来る事必至です。
野草狩りのデートやそれを使ったイツキの料理も美味しそうで魅力的で、恋愛の欲求だけでなく食欲まで刺激されてしまいます。もしかして自分の普段歩いている道にも何かあるのかも、という気持ちになって外に出るのが楽しくなりました。
2016年には映画化も決まっているので、映画と一緒に原作もあわせて楽しむのが一番おススメです。
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この小説の1番のポイントは、本当に植物図鑑を読んでいるかのように野草に関する情報が多いことです。
間違いなく恋愛小説ですが、それだけで終わらない新鮮な作品です。
野草に詳しいだけでなく、野草の調理方法も詳しい樹は、いろんな料理を作ります。
実際に樹のような男性が目の前に現れてもきっとついていけません。
でも小説の中だと許せてしまうし、そんな個性的な彼が素敵だと思うんですよね。
樹の地元に住む女の子の視点からのサイドストーリーも本編に負けないぐらい良いです。
なんのとりえもない普通の女の子という設定のさやかですが、彼氏でもない男を拾ってしまえる性格は十分個性的だと思います。
きらきらひかる
江國香織さんの恋愛小説です。
江國香織さんの作品というと、うんうん共感できるというピュアな恋愛ものが多い中、この小説は一風変わっています。映画化もされ豊川悦司さんと薬師丸ひろ子さんのこれまた豪華なキャストでした。筒井道隆さんが良い味を醸し出していましたね。
ネタバレにはなりますが、主人公の岸田笑子がアル中で、情緒不安定で、結婚した睦月がこれまた同性愛者というあり得ない設定で、どうなるんだ?と結末が気になる江國香織さんの持っていき方が、良い意味で読者を裏切りません。睦月の恋人の紺がこれまた略奪愛でもなく、どういう立ち位置かは説明しづらいのですが、ちょっと変わった恋愛ものを読みたい時には、昔?懐かしい恋愛ものを振り返り読んでみるのも面白いと思います。
⇒きらきらひかる (新潮文庫)
恋愛中毒
山本文緒さんの作品です。恋愛ものと思い付くのに一番に思い出しました。
だいぶ前に、薬師丸ひろ子さんが主演のドラマにもなり少し話題になりました。
恋愛は確かに色々なことがつきものではありますが、この小説は気持ちがわかるという人と、こんな恋愛はないよ、と二手に分かれると思います。私は一部分に同情できるけれど、えっ、そこはかなり現実離れしているなぁと思ったりします。この水無月という主人公は離婚して恋愛をしないという自分に、入り込んでいく一人の男性。じっくりと読むというよりは、ドキドキハラハラといった結果が待っています。林真理子さんの解説付きなのもまた美味しいですね。
⇒恋愛中毒 (角川文庫)
恋愛寫眞 もうひとつの物語
この物語は、お互いに人には言えない事情を抱えた2人の男女が出会う所から始まります。
自分が使っている薬が発する臭いに悩んでいた瀬川誠人は、自然に他人と距離を置いていましたが、鼻炎でその臭いが分からない里中静流と出会い、2人は行動を共にするようになります。
ですが、静流には秘密がありました。2人の思いが通じ合いそうになった時、彼女は突然姿を消します。そして、数年後誠人は思いもよらない事実を知ることになります。
「ラブファンタジー」と言われる本作ですが、2人が写真撮影で訪れる森のシーンが、全体的に幻想的な印象を与えています。ありそうでない、でもどこかにはこんな場所があるのかも…と思わせてくれます。
また、静流が抱えていた秘密を知った時、そして彼女が誠人の前から姿を消した理由を知った時、書籍の表紙に書かれた「別れはいつだって先に来る」の意味がズッシリと感じられました。最後の辺りは涙が止まりませんでした。
⇒恋愛寫眞―もうひとつの物語 (小学館文庫)
僕の好きな人が、よく眠れますように
タイトルとても惹かれて購入しました。大学院生の男の子とその研究室に来る女性との恋愛を描いた話です。女性の方は結婚しているため結果的に不倫という形の恋愛なのですが、とても素敵な恋愛だなと感じました。この2人も出会いのタイミングさえ合っていれば、素敵なカップルだったのかなと思うけれど、このタイミングだからお互い惹かれあったのかなとも思いました。誰にでも、タイミングによって諦めなければならない恋愛ってあると思います。この本はそのことを書いているのかなと思うくらい、素敵な内容の本です。また、この著者さんの本にはいつも出てくる木戸さんがこの本にも出てきていて、ファンの人には楽しい本でもあります。
⇒僕の好きな人が、よく眠れますように (角川文庫)
絶対、最強の恋のうた
中学生の何でも楽しかった時期から始まり、高校生から大学生へと成長していく姿とそれに伴う青春の様子が描かれています。その時ならではの悩みや葛藤が、読んでいてよみがえりました。怖いくらい誰かのことを好きになっていくところは、読んでいてとてもドキドキします。
「恋はスタンプカードのようなものだと思う。何か一つ思い出が増えるたびにスタンプを押す。いっぱいになったスタンプカードは、いつかなにかと交換できる。その日までスタンプを押すのだ。」というフレーズがとても気に入りました。今では忘れてしまったようなことも思い出させてくれる本です。
⇒絶対、最強の恋のうた (小学館文庫)