冬に読みたい!おすすめホラー小説3選
毎度の偏ったおすすめシリーズです。
今回はホラーです。
有名作ばかりですが、未読の一冊があれば寒い冬にこたつでどうぞ。
押入れのちよ
荻原浩さんの短編集の中の一編です。
古いアパートの一室にいる幼い女の子の幽霊『ちよ』とアパートの住人である男性のお話しです。幽霊なのに全然怖くない『ちよ』に癒されます。
登場キャラクターもみんな個性豊かでホラーとコメディの間のようにすらすらと読めます。幽霊なのに悲壮感を全く感じさせない『ちよ』ですが、彼女の過去は辛くて苦しくて悲しいものでした。
『ちよ』の境遇と彼女の性格にギャップに引き込まれます。一度目はさらっと読んで、しばらくしてもう一度読みたくなる小説です。二度目はまた違う何かを感じることができます。
そのほか、この本にはホラーの短編小説が数本収録されています。本当の意味での恐怖をお求めでしたら『介護の鬼』がおすすめです。文字だけなのにすごい臨場感で最後までドキドキしながら読めます。
⇒押入れのちよ (新潮文庫)
仄暗い水の底から
あのリング、らせんと同じ鈴木光司さんの作品です。
それだけでもう怖い、と思ってしまう人もいるでしょう。
映像化もされていますが、読んでいくとページをめくるのも躊躇ってしまうほどです。
行方不明になった女の子が持っていた赤いバッグが、マンションの屋上で見つかり、それから不思議な現象が起き始めます。
最後はとっても切ないです。
怖いんだけど、悲しいお話。
親子の愛情を描いている作品です。
なんとなくこんな感じなのかな、と予想はつきましたが、それでも実際に読んでみると怖いです。
怖さの中にもラストで何か心に残るものがあったと思います。
⇒仄暗い水の底から
リング
ちょっと古いけれど、日本ホラーの代表といえるのではないでしょうか。
決して長くはない中で、何回クライマックスが出てくるやら。
「リング」といえば、映画になり、「貞子」という怖いキャラクターが独り歩きしたり、というイメージがありますが、「ビデオに人を呪い殺す念を入れる」「ビデオを他人に見せないと自分が死ぬ」という、シンプルな切り口のホラー小説です。
個人的には、ビデオに定期的に入る黒い画面から、「人間の見ている画像」であると結論付けたり、実際の超能力者との関わりが描かれたりのあたりが、手に汗握りました。
映画版がものすごく出ていますが、飯田譲二脚本で高橋克典主演のテレビドラマ版が、小説をほぼ改悪せずにダークな映像化されていて、こちらもおすすめです。
⇒リング
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